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Aleph 2016 / Group Epsilon Meeting 2016 #2

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ここは Aleph 2016 / Group Epsilon Meeting 2016 #2 に関する特設ページです.

テーマ: 大学は象牙の塔か? 真の知性とはなにか?!

``大学で身につけるべき真の知性とはなにか'' という問いを皆さんに投げかけること. これこそがここに皆さんを招待したいイベント Aleph 2016 全体としての趣旨です.

みなさんは大学でたくさんの学問領域に触れることになります. それぞれの学問領域は初学者にとっては一見関係が浅いように見え, 象牙の塔が林立しているように感じられるかもしれません. しかしながら, それらの間には有機的なつながりがあります.

今回はそのような学問領域の例として, 数学, 情報, 工学から 4 つの講演を聴いていただきたいと思います. これらの講演を通して聴くことで, どのように学問の森を歩いて行くとよいか, そこで本当に身につけるべきことはなにか, そもそも大学に進んで学ぶべきことはなんなのか, などを考える機会としてほしいと思っています.

また, それぞれの講演は, 先を行く人々がなにを考え, なにと戦い, なにに悩み, なにを面白がり, なにを解決しているのかということを肌で感じる機会となっています. 彼らの奮闘ぶりや学問そのものの面白さを心ゆくまでご堪能下さい.

このような企画を面白がらないようであれば, 残念ながら学問の扉を叩く資格は---

日時

2016 年 3 月 13 日, 13:30--18:30.

会場

Z 会新宿教室 5 階 504 教室 (地図など).

参加申込

ポスター・パンフレット

プログラム

Greeting (田中未来)

情報科学のすすめ (戸神星也)

情報科学は, 高校数学の履修を終えた皆さんにとって受け入れやすい分野であると思っています. 今回はアルゴリズム, 計算量理論という話題をきっかけに, 情報科学という分野でどのようなことが行われているのか, そして私が何をしてきたのか (といっても学部 4 年間の経験なのでそのつもりで) をお話します.

アルゴリズムは問題を解くための手順ですが, 主に計算機で計算をさせる際にこの言葉が用いられます. 最終的に計算するのは計算機であっても, 計算させるのは人間です. 手順ひとつ変えるだけで, 同じ計算でも実行時間が劇的に変化する場合があります.

計算量理論はあるアルゴリズムに対して, 入力が増大すると実行時間あるいは必要記憶領域がどのように増えるかを定式化する学問です. 現代の暗号化技術を支える理論でもあります.

上記テーマについて入門の入門的な話と, 趣味分野 (プログラミングコンテスト出場) の話, 研究分野 (卒論のテーマ) の話, そしてこれらが現在の私の仕事にどう活かされているかという話をする予定です.

講演者略歴

講演資料等

半導体から学ぶ電子回路の世界 (隅田圭)

我らが何気なく使う PC やスマホなどの電子機器が, どのような原理で膨大な情報を処理しているのか疑問に思ったことはありませんか. 集積回路やフラッシュメモリなどは「トランジスタ」という半導体デバイスから構成されています. トランジスタの微細化による性能の向上が, 演算の処理速度の向上やメモリの大容量化に直結します. よって, この数十年はトランジスタの微細化が重要な研究課題でした. 今やそのスケールは実用段階で 10--20 nm と, 量子力学的な効果が大きく影響する域に達しています. 本発表では「半導体, トランジスタ」というキーワードを切り口に, デジタル・アナログ回路と広い分野を俯瞰してお話したいと思います.

講演者略歴

講演資料等

19 世紀解析学研究 (1) Cauchy における無限小概念 (山下弘一郎)

我々が学んできた微積分学・解析学を再考してみよう. 当初, 曖昧模糊としていた関数や級数の極限概念は, 有限な量の確定的な不等式として把握されるに至った. いわゆる (悪名高き) epsilon-delta 論法である.

この, それまで根拠を疑われつつも密輸入されてきた「無限小」という幽霊を追い払った解析学の明晰化, 「近代解析学の幕開け」は, 通常 Augustin Louis Cauchy (コーシー, 1789--1857) によるとされる. それ以降解析学は健全な発展を遂げ, 今日我々が目にする厳密な理論に成長した... 美しいしスッキリしている. 数学理論の「勝利史観」である.

しかしそうか? 数学とは理論の上澄みを漉くいとることなのか? それだけではあるまい. 大数学者が悩み, 誤り, 袋小路を迷いさすらう中にこそ, 次の数学が準備されるのではないか. 数学史とは, 競合するいくつもの理論が織り成す葛藤の必然として準備されていく歴史的・思想的 dynamism の考察である, という認識を共有してくれれば, 発表者にとって望外の喜びである.

高校生諸君は, これまで見たこともない微積分学に目を奪われるはずである.

講演者略歴

講演資料等

制御理論のプロムナード 〜古典からポストモダンまで〜 (石川徹也)

本発表では, 制御理論の原点である古典制御から制御理論の金字塔と目されるロバスト制御に至るまでの道のりを, 理論の内容に触れつつお話します. 制御理論を専攻しない限り, 古典以降の制御理論を学ぶことはまずありません. しかしそれはあまりにも勿体ない. 解析学が発達した現代においては, 古典以降の制御理論の方が理解しやすく, 拡張もしやすいのです. 本発表が, 制御理論という大きな山に分け入るきっかけになれば幸いです.

講演者略歴

講演資料等

Closing (田中未来)

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